2026.04.23
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- 技術コラム
フッ化物イオン吸着材
1.はじめに
フッ化物イオンは、土壌や地下水にフッ化物イオンとして微量に存在します。工業的には蛍石(CaF₂、フッ化カルシウム)として発掘され、フッ化水素酸を製造するのに使用されます。

フッ化水素酸を原料としたフッ素化合物は、半導体や電子部品、ガラスの製造工程や金属洗浄工程、農薬製造、虫歯予防として歯への塗布など様々な産業で使用されており、私たちの生活に身近な存在です。

しかし、フッ素が高濃度で含まれる水を摂取した際、骨や歯への障害や中毒症状が引き起こされる可能性もあり、管理が必要な元素のひとつでもあります。そのため、WHO(世界保健機関)や日本では下記の基準が設けられており、排水基準には各自治体で上乗せ基準が設定されている場合もある可能性があると言われています。

なお、半導体・電子部品の製造工程や泡消火剤、金属表面処理などで使用される有機フッ素化合物(PFAS)については環境蓄積性、長距離移動性、人体への悪影響が懸念されており、その構成要素としてフッ素が含まれています。しかし、フッ化物イオン(無機フッ素)と有機フッ素化合物(PFAS)とでは、環境への影響や人体への有害性など、化学的特性は全く異なるものであり、有機フッ素化合物(PFAS)については本頁では記載しないものとします。
有機フッ素化合物(PFAS)に関してはこちら:有機フッ素化合物(PFAS)除去用吸着材 – イオン交換樹脂総合センター by 室町ケミカル株式会社
2.フッ化物イオンの処理方法
凝集沈殿法による不溶化の他、吸着材吸着による処理が挙げられます。
①凝集沈殿法
フッ化カルシウムによる不溶化、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムとの共析による不溶化固形を析出させる方法。
○:安価。濃厚溶液の処理に向いている
×:安定的に基準値を満たすのは難しい
②吸着材吸着
フルオロアパタイト、イオン交換樹脂、無機フッ素吸着材などにより吸着される。
○:低濃度領域で安定的に使用可能。①処理後、後段に使用することもある。
×:高濃度領域だと運用が難しいか、高いコストがかかる。また、競合する陰イオンが多い原水では十分にフッ素を低濃度まで除去するのが難しい。
3.当社のイオン交換樹脂によるフッ化物イオン吸着性能試験
カラム法吸着試験で行った試験で、当社のフッ化物イオン吸着材が、フッ化物イオンを除去できる良好な性能であることを確認しました。また、使用後は再生して繰り返し使用が可能です。

【吸着試験①】
試験の目的:自然由来の低濃度のフッ化物イオンを含む水から、水道水基準値未満まで処理できるか確認すること。

【吸着試験②】
試験の目的:競合する陰イオンが多い原水で、フッ化物イオンが吸着できるか確認すること。

結果:汎用陰イオン交換樹脂ではフッ化物イオンは吸着できませんでしたが、当社の吸着材では選択的にフッ化物イオンを吸着することが可能でした。
4.まとめ
●当社の吸着材はフッ化物イオン低減に有効です。
●原水の液性によって適した性質のフッ化物イオン吸着材を紹介します。
・排水中フッ化物イオンの処理
・井戸水中の自然由来フッ化物イオン除去
