array(1) { [0]=> object(WP_Term)#1548 (10) { ["term_id"]=> int(2) ["name"]=> string(15) "技術コラム" ["slug"]=> string(45) "%e6%8a%80%e8%a1%93%e3%82%b3%e3%83%a9%e3%83%a0" ["term_group"]=> int(0) ["term_taxonomy_id"]=> int(2) ["taxonomy"]=> string(8) "category" ["description"]=> string(0) "" ["parent"]=> int(0) ["count"]=> int(10) ["filter"]=> string(3) "raw" } }
  • 技術コラム

有機フッ素化合物(PFAS)除去用吸着材

1.はじめに

PFASとは、ペル/ポリフルオロアルキル物質と呼ばれる化合物の総称です。元々自然界に存在したものではなく、1940年代に人工的に開発されたものです。これらの物質は、耐熱性、撥水性、撥油性、難燃性などの安定性を示すことから、飛行場や軍施設で泡消火剤、半導体製造時に使用される冷却用溶媒、金属メッキ処理液などの工業用途や、焦げ付きにくいフライパンのコーティング、撥水性アウトドア用品、食品包装紙などの消費者向け製品など、幅広く使用されています。水や油をはじく、熱や薬品に強い、光を吸収しない。自然環境下で分解されにくく蓄積しやすいため、『永遠の化学物質』(フォーエバー・ケミカル) と呼ばれています。

一方、PFASは非常に安定性が高いため環境中で分解されづらく、水や大気を介して移動し、生物に蓄積しやすいという特徴を持ち、生物の健康に悪影響を及ぼす可能性があるとされています。

PFASには非常に多くの物質があります。炭素の数や構造により呼称があり、PFAS・PFOA・PFHxSなどがあります。

厚生労働省は、2020年に水道水の暫定目標値として、「ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)及びペルフルオロオクタン酸(PFOA)の和として0.00005mg/L(50ng/L)以下」を設定しました。これは体重50kgの人が1日2ℓの水を生涯にわたって摂取しても健康影響が出ない、として設定されています。

水中に含まれるPFASを低減する対策としては、活性炭や膜分離などの技術が使われていますが、その一つとしてイオン交換技術を用いた「PFAS除去用吸着材」があります。当社でも精力的に研究開発を行っています。ここでは「PFAS除去用吸着材」の性能についてご紹介します。

2.イオン交換樹脂によるPFAS除去性能

イオン交換樹脂には様々な種類のイオン交換基を持つものがあります。当社では、これまでの知見を踏まえ様々な種類のものから、PFAS吸着に有効と考えたアニオン交換樹脂を選定しています。

末端に親水性のスルホン酸基やカルボキシル基を持つPFAS類は、水中では電離し、陰イオンとして存在します。PFAS用イオン交換樹脂はイオン交換による吸着に加え、母体構造がPFASとの疎水性相互作用による吸着に寄与します。これらの効果によりPFAS用イオン交換樹脂とPFASは強く吸着すると考えています。

当社では、2種類の方法にてPFAS除去特性を評価しています。

【バッチ法によるKd値測定】

ビーカに3種類のPFASをそれぞれ含む水を準備し、そこに種々のPFAS用吸着材を添加して、除去特性を調べました。除去特性はKd値とよばれる分配係数を算出して評価しました。その結果、いずれの吸着材も100以上の値を示し、高い吸着性能を有することが分かりました。特に、吸着材Bが優れた性能を示しました。

【カラム法によるライフ試験】

環境省のHPに公開された環境水のPFAS検出状況から、PFOS、PFOA、PFHxSそれぞれが最も高い地点の値をピックアップして濃度を設定し、水道水に3種類のPFAS類を添加して濃度を50倍にして濃度加速試験としました。

その結果、吸着材Aは破過したもののB~Dは破過せず、良好な除去性能を有していることを確認しました。

3.まとめ

◎当社:PFAS除去用吸着材は、種々の有機フッ素化合物の除去に有効です。

◎PFASの特性や種類、濃度により最適な提案を目指しています。

◎吸着材供試や評価試験、共同研究の依頼など、お気軽にご相談ください。

お問い合わせ Contact

カタログダウンロード

製品に関する資料やカタログが
ダウンロードいただけます。

ご質問やお問い合わせはこちら

お気軽にお問い合わせください。