純水装置、超純水装置、軟水器

純水装置と超純水装置

水の種類と水質

地球に住む私たちの身の回りは、水に満ち溢れています。雨が降り、川に流れ、海に注ぎ、蒸発して雲に(特に台風として)なり、再び雨として地に注ぎ循環しています。また、蛇口をひねると水道水が注ぎ、日常飲用水や料理に活用しています。様々なものを作る工場でも、大量の水が使用されています。水は私たち人類にとって無くてはならない物質です。水にも、色々な種類のものがあります。

  • 河川水/地下水/海水など天然に存在する水
  • 工業用水
  • 水道水
  • 硬水/軟水
  • 純水/蒸留水
  • 超純水 など

通常、河川水を適切に処理して利用されています。この処理方法には様々な種類があり、この処理方法によって得られる水の種類が変わってきます。

水の種類 処理の概要
工業用水 河川水に含まれるゴミや濁りを除去した水。
水道水 河川水に含まれるごみや濁り、不純物を除去し、殺菌した水。
硬水/軟水 飲用に適した地下水。硬度成分の濃度により「硬水」と「軟水」に分けられる。
純水/蒸留水 水中に含まれる不純物を除去した水。
超純水 水中に含まれる不純物を極限まで除去した水。

工業用水や水道水には、1ℓあたり1gより少ない量ですが水以外の物質が含まれています。ここで含まれている物質は、無機物、有機物、微粒子、微生物に分類されます。一方、これらの水を工業分野で使用するには不都合が生じる場合があります。特に硬度成分と呼ばれるカルシウムやマグネシウム、シリカ(ケイ酸)などの無機物が工業製品や製品に影響を及ぼす場合があります。

また、水道水に関して当時の厚生省が設立した「おいしい水研究会」が提示したおいしい水の要件を見ると、色々な成分が溶け込んでいる必要があることが分かります。実際の東京都の水道水は、この要件に近いものとなっています。尚、ヨーロッパのミネラルウオーターの硬度は日本の水道水より高く、「エビアン」のHPを見ると硬度が304mg/Lとあります。

【おいしい水の目安基準と、東京都水道水の水質】

水質項目 おいしい水の目安基準 平成25年平均値
蒸発残留物 30~200mg/L 150
硬度 10~100mg/L 64.6
遊離炭酸 3~30mg/L 2.6
過マンガンカリウム消費量 3mg/L以下 1.0
臭気強度 3以下 1
残留塩素 0.4mg/L以下 0.4
水温 最高20℃以下 16.9

(東京都水道局HPより引用)

純水を作る「純水装置」

純水を製造するために、水中に含まれる成分の除去に重要な役割を果たしている一つが、「イオン交換樹脂」と呼ばれる工業製品です。食塩は、プラスの電気を持つナトリウムイオンと、マイナスの電気を持つ塩化物イオンからなる物質で、水に溶けるとバラバラの状態で存在しています。水に溶ける多くの物質は同じような状態となっていて、ここにプラスのイオンを吸着するカチオン交換樹脂と、マイナスのイオンを吸着するアニオン交換樹脂を投入すると、水中のイオンを吸着して不純物の少ない「純水」が出来上がります。

純水を作る「純水装置」は以下のような装置で構成されています。工業用水や水道水をフィルタを通して懸濁物質を除去した後、イオン交換樹脂を充填した脱塩塔を通すことで水中の不純物を除去することで「純水」を製造します。一般的には「2B3T式」や「混床式」が用いられます。

2B3T式

混床式

「2B3T式」は2つの脱塩塔にカチオン樹脂とアニオン樹脂を充填して、脱炭酸塔を併せて通すことで純水を作ります。また、「混床式」と呼ばれる1つの塔にカチオン樹脂とアニオン樹脂を混合したものを用いる場合があります。

純水装置の脱塩塔の構成には様々あり、その用途や必要な水質、コストなどを判断して選定しています。

【純水装置の構成例】

強酸性のカチオン樹脂で+イオンを除去し、強塩基性アニオン樹脂で-イオンを除去。
強酸性カチオン樹脂で+イオンを除去し、Ⅱ型若しくは弱塩基アニオン樹脂で-イオンを除去し、強塩基Ⅰ型アニオン樹脂で-イオンを更に除去。
強酸性カチオン樹脂で+イオンを除去し、Ⅱ型アニオン樹脂で-イオンを除去し、床樹脂ですべてのイオンを除去。
強酸性カチオン樹脂で+イオンを除去し、Ⅱ型で-イオンを更に除去し、強塩基Ⅰ型アニオン樹脂で-イオンを更に除去。
強酸性カチオン樹脂と強塩基性アニオン樹脂の混床ですべてのイオンを除去。

c:カチオン、A:アニオン、M:混床 ※脱炭酸塔がある場合もある。

装置 特徴
カチオン樹脂塔 強酸性カチオン樹脂が充填され、ナトリウムやカルシウム、マグネシウムなどの+イオンを除去。鉄さびも吸着。
脱炭酸塔 水中に溶存する炭酸を除去
アニオン樹脂塔 塩化物イオンやシリカなどの-イオインを除去。アニオン樹脂が充填されている。
アニオン樹脂塔 強塩基Ⅰ型 幅広い範囲のpHで、-イオンを幅広く吸着。シリカも吸着可能。
強塩基Ⅱ型 Ⅰ型よりやや吸着性が劣るが、再生しやすい。シリカもある程度、吸着可能。
弱塩基性 pH酸性領域で-イオンを吸着可能。吸着性は劣るが再生しやすい。有機物の吸着も可能。
混床塔 カチオン樹脂とアニオン樹脂を混合状態で使用することで、純度の高い純水を製造可能。コンパクトは装置構成。

イオン交換樹脂は純水を製造するために便利なものですが、定期的に薬品による再生操作を行う必要があります。この再生をしている間は純水を作ることが出来なくなると共に、塩酸や苛性ソーダなどの薬品を用いるため安全上の問題があります。

そこで近年では、薬品による再生を不要とした「RO+EDI」による純水製造装置が用いられる場合があります。これは活性炭などでろ過された水をRO膜と呼ばれるフィルタに通水することでイオンと微粒子を除去した後、イオン交換樹脂とイオン交換膜を組合せ、電気の力でイオンを除去する「EDI:電気再生式連続純水装置」を用いてイオンを更に除去することで純水を製造する装置です。薬品を使用する必要がないことから、近年では広く使用されています。

最新の純水装置の構成例

これにより不純物がほとんど無い「純水」を製造することが出来ますが、更に純度の高い「超純水」を用いる場合があります。
特に必要とされているのが電子工業用水です。半導体や液晶部品では、極めて微量の不純物が製品の品質に影響します。そのために、純度の非常に高い純水を用いて部品洗浄を実施しています。

また、医薬品の分野では、医療器具の洗浄だけでなく注射液や精製水として超純水が用いられています。ここで用いられている純水は、日本薬局方や海外の同様の規定で水質が厳しく定められています。

原子力発電所では原子炉で蒸気を作りタービンを回すことで発電していますが、蒸気を水に戻した後、原子炉に戻しています。この際、発電設備構成材料の腐食を抑制するために十分に浄化した上で超純水として戻しています。
この超純水の製造には、複数の処理設備を組み合わせたシステムが用いられています。電子工業に用いられている超純水製造システムの構成例を以下に示します。

超純水製造システムの構成例

まず工業用水などの原水を活性炭や凝集ろ過などの前処理設備で残留塩素や懸濁物、有機物などを除去します。次に純水製造装置と同様のRO膜とEDIでイオン成分などを除去し、紫外線で菌類を死滅させ純水を製造します。この純水をサブシステムと呼ばれる装置にて、紫外線酸化で有機物を分解し、イオン交換樹脂でイオン類を除去して、最後に限外濾過膜で微粒子を除去して「超純水」を製造し、電子材料のウエハーなどを洗浄しています。

このサブシステムで使用するイオン交換樹脂は、高純度の水質を得るために金属や有機物などの不純物量の非常に少ない、純度の高いものを用いています(当社のHGシリーズ等)。

更に超純水製造システムにおける課題もあります。菌類の死滅や有機物の酸化分解を目的として紫外線ランプが用いられています。紫外線ランプはこれらの目的では有効ですが、水を分解することで過酸化水素も精製します。この過酸化水素がイオン交換樹脂にとって厄介な物質です。特にカチオン交換樹脂が過酸化水素と接触すると酸化反応を受け、水質低下の原因となります。そこで、サブシステムの最終段には耐酸化性の高いカチオン交換樹脂が使用される場合があります(当社のULシリーズ等)。

また、純水と超純水は大学や研究所などでも広く使用されています。研究や化学分析では水の分析が行われます。ここで器具の洗浄や分析操作で用いる水がきれいでないと、測定結果が不安定なものになります。従って、例えばナトリウム濃度が「1ppm」より高いかどうかを調べるには、使用する純水はこの値より低いものでなければいけません。電子材料で用いる超純水は、分析装置の測定下限値以下であることを求められることから、当然、非常に純度の高い超純水である必要がることから、高度な処理が行われています。

軟水器

一方、精製した水の一つに「軟水」があります。軟水と硬水の違いは、飲むとすぐにわかります。その異なる口当たりは水に含まれているカルシウムやマグネシウムなどのミネラル成分によるもので、軟水は硬水に比べてミネラルの含有量が少ないため、まろやかで飲みやすい味わいなのです。

このミネラルが水1リットルあたりに含まれている量を表す数字が硬度であり、日本の一般的区分では硬度100以下の水が軟水と定義されています。日本の水は硬度80程度が多いので、かなりの軟水といえます。一方、ヨーロッパなどで販売されている硬水は、口当たりが重たく、舌にまとわりつくような味わいです。

この硬度成分はやかんなどでお湯を沸かした時の白い湯垢の原因となります。工場や銭湯でお湯を沸かすボイラでは、硬度成分が邪魔になります。また、自動車を洗浄した時の「ウオータースポット」が付く原因にもなります。

これらの影響を排除するために使用されるのが「軟水器」で、ここではカチオン交換樹脂が使用されています。Na型のカチオン交換樹脂にカルシウムやマグネシウムなどの硬度成分を含んだ水を通すと、カルシウムやマグネシウムなどを捕捉し、ナトリウムを放出します。これにより硬度の低い軟水が出来上がります。更に、定期的に食塩を用いることで再生操作を行うことが出来、再利用できます。最近では、業務用だけでなく家庭用にも使用されることが増えてきています。

軟水器の仕組み

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