イオン交換樹脂、特に強酸性陽イオン交換樹脂は様々な工業製品を製造する「触媒」として活用されています。当社では種々の触媒用イオン交換樹脂を準備しており、用途に応じた最適なイオン交換樹脂をご提案可能です。
現在、石油由来の様々な化学製品が製造されていますが、その触媒として酸やアルカリが用いられています。イオン交換樹脂は不溶性の固体で酸性基若しくは塩基性基を有していますので、これを硫酸などの液体触媒の代わりに固体の触媒として用いることが出来ます。
イオン交換樹脂を用いることのメリットは、以下の通りです。
イオン交換樹脂は固体であるため、反応後の分離回収が容易。
イオン交換樹脂を反応塔に充填して原料を通すことで連続反応が可能となり、反応プロセスの合理化が可能。
硫酸などの液体を用いる際に必要な中和処理が不要となるほか、回収したイオン交換樹脂の再利用が可能となるため、運転コスト低減が可能。また、強酸性の液体を用いる必要がないことから、装置構成材料コストの低減が可能。
イオン交換樹脂が触媒として用いられている例は以下の通りです。
ビスフェノールA(BPA)の製造
エポキシ樹脂の原料となるビスフェノールAは、フェノールとアセトンの縮合反応で合成され、その際の触媒として強酸性陽イオン交換樹脂が用いられています。
メチルtert-ブチルエーテル(MTBE)やエチルtert-ブチルエーテル(ETBE)の製造
添加剤として使用されるMTBEやETBEの製造用触媒として、強酸性陽イオン交換樹脂が用いられています。
その他
オレフィンの水和やエステル化、アルキル化、水素添加反応の固体酸触媒として、強酸性陽イオン交換樹脂が用いられています。
触媒として化学反応に用いられるため、以下の様な特性が求められます。
高温条件や耐薬品性、耐有機物性など、高い化学的安定性が求められます。そこで、架橋度の高い陽イオン交換樹脂や製法を工夫した陽イオン交換樹脂などが提案可能です。
化学反応を安定的に行うため、反応性の高いイオン交換樹脂が用いられます。そこで、多孔質のポーラスタイプのイオン交換樹脂などが提案可能です。
化学製品の純度を確保するため、イオン交換樹脂からの溶出物を低減する必要があります。イオン交換樹脂の安定性を高める工夫や、納入前の事前洗浄、乾燥処理、等の対応が可能です。
ご提案可能なイオン交換樹脂は以下の通りです。
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