イオン交換樹脂は、水中に存在するイオンを吸着する能力を有する有機物(合成樹脂)であり、水を通し易いように直径0.3~1.2mm程度の球形物質です。電解質が水に溶けると+イオン(陽イオン、カチオンともいう)と-イオン(陰イオン、アニオン)に解離しますが、+イオンか-イオンのどちらかを高分子に化学的に固定したのがイオン交換樹脂です。高分子に結合したイオンの部分を固定イオンと呼ぶと、固定イオンと反対の電荷のイオンと電気的に中和して存在し、このイオンは他のイオンと交換することができます。これがイオン交換現象です。
具体的には、マイナスに帯電しているスルホン酸基を固定イオンとして有する陽イオン交換樹脂にはプラスに帯電するHイオンが存在しており、水中に存在するNaイオンとイオン交換反応を行うことが出来ます。プラスに帯電しているトリメチルアミノ基を有する陰イオン交換樹脂にはマイナスに帯電しているOHイオンが存在しており、水中に存在しているClイオンとイオン交換反応を行うことが出来ます。これがイオン交換樹脂によるイオン交換反応の化学的原理です。
イオン交換樹脂は、主にスチレンとジビニルベンゼン(DVB)を重合した共重合体が用いられます。DVBはポリスチレンを橋架けするためのもので、物理・化学的に安定となります。こうして出来たコポリマー(架橋ポリスチレンと呼ぶ)は疎水性ですが、これに交換基を導入すると、親水性になり水を吸収して膨潤します。
例えば、コポリマーを濃硫酸中で加熱すると、スルホン酸基(-SO3)が結合して強酸性陽イオン交換樹脂(通称、カチオン交換樹脂)を製造することが出来ます。また、クロロメチル化とアミノ化という二段階の反応でトリメチルアミノ基(-N(CH3)3)が結合して陰イオン交換樹脂(通称、アニオン交換樹脂)を製造することが出来ます。
イオン交換樹脂は、主にスチレンとジビニルベンゼン(DVB)を重合した共重合体が用いられます。DVBはポリスチレンを橋架けするためのもので、物理・化学的に安定となります。こうして出来たコポリマー(架橋ポリスチレンと呼ぶ)は疎水性ですが、これに交換基を導入すると、親水性になり水を吸収して膨潤します。
例えば、コポリマーを濃硫酸中で加熱すると、スルホン酸基(-SO3)が結合して強酸性陽イオン交換樹脂(通称、カチオン交換樹脂)を製造することが出来ます。また、クロロメチル化とアミノ化という二段階の反応でトリメチルアミノ基(-N(CH3)3)が結合して陰イオン交換樹脂(通称、アニオン交換樹脂)を製造することが出来ます。
金属イオンと錯形成する官能基を導入したイオン交換樹脂の種類としてキレート樹脂があります。配位子に窒素、酸素、イオン、リンの様な電子供与元素が複数含まれていると金属イオンを強く結合して錯体を形成します。この特性を利用し、金属イオンと錯形成をすることが可能な官能基をイオン交換樹脂として導入したものであり、特定の金属イオンに対して特異な選択性を有していることから、有用金属の回収などの特殊用途に用いられます。
イオン交換樹脂は主に水の軟化や浄化などに利用されるもので、一般にカチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂が用いられます。カチオン交換樹脂中にはH+が樹脂中に存在し、このH+が外部溶液中の陽イオン(Na+)とイオン交換反応を示します。アニオン交換樹脂では、樹脂中のOH-が外部溶液の陰イオン(Cl-)とイオン交換を行います。これらにより水中のイオンとイオン交換樹脂中のイオンが交換することとなります。また、ある程度イオンを吸着したところで薬品による「再生」操作を行い吸着しているイオンを元に戻すことにより、繰り返しの使用が可能となります。
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